期(ご)するところは一得(いっとく)永不失(ようふしつ)の戒、憑(たの)む所は弥陀兆載劫の願なり。
真盛上人(天台真盛宗開祖。1443~1495)
一度得れば決して失うことがないという「円頓戒」と、阿弥陀如来の「一切衆生を極楽往生させる」という誓願を頼みとして、自分自身を励まし、仏道に精進したい。
『真盛上人自戒偈』
真盛上人は「戒称二門」(大乗円頓戒と称名念仏を統合)の教学を唱えられた。天台真盛宗総本山は西教寺(大津市坂本)。
この教えの中で、私たちが目指すべきものは、決して失われることのない戒を手に入れることである。この戒は、あたかも光り輝く宝石のように、私たちの心の内に深く根付くものとなり、いかなる困難に直面しても、その存在が私を支えてくれる。さらに、その戒は、自己の成長だけでなく、他者との調和をももたらす大切な要素である。
また、私たちが委ねるべき存在として、阿弥陀如来の誓願がある。彼は、一切の衆生を極楽へと導く決定的な願いを持つ存在であり、その慈悲深い意志は、我々に安心感を与えてくれる。生きとし生けるものたちが苦しみの中にあっても、彼の助けを求めることで、必ずや救われるという希望が寄せられる。
このように、私たちは戒を持つことによって精神的な支えを得つつ、阿弥陀様の賢明な導きに信頼を置き、仏道を歩む勇気を与えられる。この道を進むことで、私たちは自己を超越し、より大きな存在へと繋がることができるのだ。
高僧である真盛上人が慧眼をもって教えられたように、大乗の戒と称名念仏を一体化させた実践は、私たちが真の意味での安らぎを見出す手段となる。西教寺という場所に根付くこの教えは、長い歴史を経て今もなお、多くの人々に希望と勇気を与えている。
心静かに日々を送りながら、私たちは自らを省み、阿弥陀如来の誓願を胸に刻み、円頓戒をしっかりと守り続けることができれば、きっと豊かな精神世界へと導かれることであろう。この目指すべき道を共に歩む者として、互いに励まし合いながら進んでいくことが、真の幸せにつながることを忘れてはならない。
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