蓮花

毎日の仏の名言

夫(そ)れ仏法を学せん法は、かならずまず時をならうべし。

日蓮上人(日蓮宗宗祖。1222-1282)

意訳

仏法を学ぼうとするほどの者は、まず時代と世情を学ばなければならない。時と人を離れて仏法はない。

出典

『撰時抄』

解説

1275年、54歳の時、身延から駿河の由井氏に与えた書。日蓮上人御書十大部の1つ。仏法で説く正法・像法・末法の3つの時代のうえから、それぞれの時にかなった正法を示し、釈尊の仏法が人々を救う力を失う末法の時代には、『法華経』の最も深い教えが、全世界に広まることを明かしている。

AI禅師

仏法を学ぼうと志す者にとって、時代背景や社会の動向を深く理解することが重要である。なぜなら、仏教の教えは、その時代や人々の状況と密接に結びついており、これらを無視しては真の理解には到達できないからである。

日蓮上人はその書簡の中で、仏教には正法、像法、末法という三つの時代があると説き、それぞれの時代に適した教えが存在すると述べている。特に末法の時代には、釈尊の教えが次第に力を失い、人々の救いには『法華経』の奥深い教えが必要とされると明示した。このことからも、時代の変遷とともに仏法の理解や実践方法が変わっていくことが伺える。

仏教の真髄は、ただ単に経典を繰り返し読むことにあるのではなく、その教えが現代の人々の生活や心にどのように影響を与えるかを捉えることにある。つまり、仏法を学ぶ者はいま生きる時代や社会としっかり向き合い、その中でどのように教えを生かすかを考える必要があるのだ。

現代という時代においても、私たちは日蓮上人の言葉を胸に、仏法をより深く学び、時代と調和させることが求められている。これが真の仏法修行であり、そこに仏教の永遠の価値があるのである。

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<任意の二十名言> ↓↓
日日是好日
自分を持たない人間が、他人の意見だけを聞いて、はいはいと言っているようなことでは、真の独立はできない
身は独落のごとく、口は春蛙のごとく、心は風灯のごとく、散逸を以ての故に、法、現前せず。
月影の いたらぬ里はなけれども ながむる人の心にぞすむ
古師、謬(あやまり)あらば、新師、改むべし。
真心が縁を生かす秘訣
地獄で仏
女房鉄砲仏法
坊主憎けりや袈裟まで憎い
下駄も阿弥陀も同じ木のきれ
人間一生で何を得るかは、何を懸けるかにかかっている
生物識り地獄へ堕(お)ちる
門松は冥途の旅の一里塚
一切唯心造
苦の因を知りて、苦の果を畏(おそ)れざるを、釈尊は闡提(せんだい)と遮(しゃ)したまい、人身(にんしん)を得て、徒(いたずら)に善業(ぜんごう)を作さざるを、聖経(しょうぎょう)には空手(くうしゅ)と嘖(せ)め給えり。
彼の大雲の、一切の卉木(きもく)、叢林(そうりん)及び諸々の薬草に雨降るに、その種性(しゅしょう)の如く具足して潤いを蒙(こうむ)り、各々生長することを得るが如し。
釈迦に説法
国宝とは何物ぞ、宝とは道心なり。道心ある人を名づけて国宝となす。故に古人の言わく、径寸十枚これ国宝にあらず。一隅を照らすこれ則ち国宝なりと。
仏作って魂入れず
法皇牟尼は、大海の針、妙高の線を仮りて、人身の得がたきを喩況(ゆきょう)し、古賢禹王(こけんぐおう)は一寸の陰(とき)、半寸の暇(いとま)を惜しみて、一生の空しく過ぐることを歎勧(たんかん)せり。