大いなるかな心(しん)や。天の高きは極むべからざるなり。しかるに心(しん)は天の上に出ず。地の厚きは測るべからざるなり。しかるに心(しん)は地の下に出ず。
明庵栄西(臨済宗開祖。1141-1215)
人間の心は何と大きいことか。天の高さは極めることができないが、心はその天を越える。大地の厚さは測ることはできないが、心はその底をも貫く。
『興禅護国論』
臨済宗開祖である明庵栄西がまとめた日本最初の禅書。禅宗による護国論の展開、禅の歴史、禅宗寺院や中国仏教についてを記している。
人間の心の広がりについて深く考えると、その無限のような大きさと深さに驚かされる。天の高さは目に見える範囲を超えて広がっているが、心の広がりはさらにそれを凌駕する。大地の厚みもまた計り知れないほどであるが、心の奥深さはその大地すらも貫き、底知れぬものとなる。
明庵栄西は、この心の無限性について強調している。彼の教えにおいて、心とは天と地を超越するものであり、その潜在力や可能性は計り知れない。中国の仏教や禅宗の教えに基づき、心の重要性や役割を強調することで、人々にその心の力を理解し、活用することを促している。
この教えは、禅の修業を通じて心の本質に触れ、その広がりや深さを感じることが重要であると示唆している。禅の実践を通じて、我々は自己の心を理解し、その無限の可能性を引き出すことができるのである。
また、栄西の教えは、国を護る智慧としても機能する。心の力を理解し、それを活用することで、個々人だけでなく、社会全体の調和や平和をもたらすことができる。この視点からも、心の重要性は否定できない。
要するに、心の広がりと深さを知り、その可能性を引き出すことが、我々の生活や社会において大きな影響を与える。栄西の教えを通じて、我々は自分自身の心の力を再認識し、それを最大限に活用することの大切さを学ぶことができる。
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