明日ありと 思う心の仇桜 夜半に嵐の 吹かぬものかは
親鸞聖人(浄土真宗開祖。1173-1263/覚如上人撰)
布施というは不貪なり。不貪というは貪らざるなり。
道元禅師(曹洞宗開祖。1200-1253)
しるべし、愛語は愛心よりおこる。愛心は慈心を種子とせり。
諸有の善根は慈を根本と為す。
愛見の巧言は、なお仁鮮し。
伝教大師最澄(天台宗宗祖。767-822)
因なくして果を得るはこの処りあることなく、善なくして苦を免るるはこの処りあることなし。
己こそ己の寄辺、己を措きて誰に寄辺ぞ。よく整へし己にこそ、誠に得難き寄辺をぞ獲ん。
善因より善果を生ずることを知り、悪因より悪果を生ずることを知りて悪因を遠離せよ。
怨みをもって怨みに報ぜば怨み止まず、徳をもって怨みに報ぜば 怨みたちまち尽く。長夜の夢裏のことを恨む莫れ。法性真如の境を信ず可し。
伝教大師最澄(天台宗宗祖。767-822/別当大師光定撰)
三際の中間に修する所の功徳は、独り己が身に受けず、普く有識に回施して、悉く皆無上菩提を得しめん。
千里の道も謂いて遥と為さず、数歩の地も謂いて近と為さず。凡そ所作あれば、その功は唐しからず、その報を望まず。
天台大師(中国天台宗開祖。538-597)
或は火のごとく信ずる人もあり。或は水のごとく信ずる人もあり。
日蓮上人(日蓮宗宗祖。1222-1282)
若し俗間の経書、治世の語言、資生の業等を説かんも、皆、正法に順ぜん。
曲直用に中って損することなく、賢愚器に随って績有り。
弘法大師空海(真言宗開祖。774-835/真済撰)
忍辱の衣厚くして、杖木瓦石に痛まず、慈悲の室深くして、罵詈誹謗を聞かず。
空也上人(903-972)
若しは曠野の中に於いて、土を積んで仏廟を成し、乃至童子の戯れに 沙を聚めて仏塔をつくれる。かくの如き諸々の人たちは、皆すでに仏道を成ず。
一色一香も中道にあらざることなし。
迷えば石木異なれど、悟れば氷水一つなり。
元三慈恵大師良源(912-985)
むかいて愛語をきくは、おもてを喜ばしめ、心を楽しくす。むかわずして愛語を聞くは肝に銘じ、魂に銘ず。
我汝を軽んじめず、汝ら道を行じて、皆当に仏となるものゆえに。
頭髪が白くなったからとて上座なのではない。ただ歳を取っただけならば、空しく老いぼれた人と呼ばれる。
ふればぬれ ぬるればかわく袖のうえを あめとていとう人ぞはかなき
一遍上人(時宗開祖。1239-1289)
この一日の身命は、とうとぶべき身命なり、とうとぶべき形骸なり。
占相をはなれて、正見を修福せしめ、決定して深く罪福の因縁を信ぜよ。