菩提心を因とし、大悲を根とし、方便を究竟となす

原文

菩提心を因とし、大悲を根とし、方便を究竟となす

意訳

菩提心はさとりを求める心、大悲とは人々を苦しみから救おうとする大いなる哀れみの心、方便はそのための利他の実践、社会的な実践をさす

妙機禅師

悟りに至る道は、多くの要素が絡み合い、絶妙なバランスを保つことで成立する。その中でも、仏道を歩む上で欠かせない三つの要素がある。第一に、悟りを求める強い意志がそれである。これがなければ、いかなる修行も始まることはない。この意志は、私たちの内なる願いを清らかにし、真実に迫ろうとする心の表れである。

次に、私たちが他者に対して抱く大いなる哀れみの心。これは、他人の苦しみを自分のものと感じ取り、それを和らげたいと願う深い情愛である。仏道において、利己的な欲望ではなく、他者の救済を優先する心が重要である。それは、自分自身の解脱だけでなく、周囲の人々や全ての存在の救済をも含む、広大なる慈悲の心である。この心こそ他者に優しく、温かく接する源泉であり、私たちが生きる上での基本となる。

そして最後に、実際に行動に移すための手段が必要である。これには、人々を理解し、その苦しみを軽減するために具体的な方法を見つけることが含まれる。これには知恵が求められ、その知恵は単なる知識の積み重ねではない。実際の生活の中で実践し、多くの経験を通じて学び、繰り返し鍛えられることで得られるものである。この実践が、仏道における最終的な目標となる。

これら三つの要素が交わり、一つ一つが互いを補完することで、真の道が見えてくる。自分自身の悟りを第一に求め、それを通じて他者の苦しみを救い、具体的な行動によって実現する。これこそが、仏道の真髄であり、私たちが目指すべき究極の姿である。仏道を歩む者は、この三つの要素を心に留めつつ、日々の生活の中で実践し続けることが重要である。

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