怨みは怨みをもって静まらず、怨みなきをもってのみ、怨み静まる。これ永遠の法なり

原文

怨(うら)みは怨みをもって静まらず、怨みなきをもってのみ、怨み静まる。これ永遠の法なり。

意訳

争いごとは、怨み合っていては解決しない。相手の怨みに対して、寛容の心をもってすれば解決する。これは永遠の真理である。相手を認め、相手を許す寛容の心を持つことは大変に苦しいことかも知れない。しかし、身近なことから世界全般に至るまで、全てに当てはまるキーワードではないだろうか。

出典

『法句経』

解説

『法句経』は『ダンマパダ=真理のことば』ともいい、お釈迦さま自身の言葉を伝える原始仏典の一つ。423の詩が26章にわけて収録されている。

妙機禅師

日々の暮らしの中で、人は多くの感情に翻弄されることがあります。その中でも、怨みや敵意は私たちの心に重くのしかかり、時に思考を曇らせることがあります。しかし、何かを求める心が怨みを増幅させ、さらなる争いを生むことを理解することが大切です。

私たちが他者との関係で抱える葛藤は、怨みの連鎖から逃れることができないことが多いのです。しかし、冷静にリフレクションを行い、相手の気持ちに寄り添うことで、事態は好転する可能性があります。このような思考は、仏教の教えに深く根ざしており、お釈迦さまの教えの中にもそれが説かれています。

例えば、身近な人との小さなトラブルが大きな対立に発展することがあります。その際、自らの心を穏やかに保ち、相手を理解しようとする姿勢を持つと、状況は変わることがあります。争いを望む気持ちに支配されず、寛容や理解をもって相手と接することは、容易ではありませんが、真の解決への第一歩となります。

このような考え方は、私たちの日常生活だけでなく、広く社会全体へと適用することができます。例えば、世界中で起こる様々な対立や紛争も、根本にある怨みに目を向けることで、和解の道が開かれていくことでしょう。すなわち、我々が持つ怒りや憎しみを手放すことが、真の平和への架け橋となるのです。

この教えに従い、まずは自らの心の在り方を見つめ直し、他者への寛容を実践することで、私たち自身もまた、心の安寧を得ることができるのです。このことこそが、永遠に変わらぬ法則であると言えるでしょう。

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