きょう一日、いま一瞬をどうやって生き切るか、これがすべて
宮本祖豊(比叡山十二年籠山行満行者)
きょう一日、いま一瞬をどうやって生き切るか、これがすべて
私たちの人生において、「きょう一日、いま一瞬をどうやって生き切るか、これがすべて」という言葉には深い意味が込められています。この一瞬一瞬がほんとうに大切であり、私たちの存在そのものを形作っていると言えるでしょう。その一瞬を意識的に生きることによって、私たちは真の平安と幸福を見出すことができるのです。
仏教の教えにおいても、「一期一会」という言葉があります。これは、一度の出会いや瞬間の貴重さを説いています。これは単に人との出会いだけでなく、私たちの毎日、毎瞬にも当てはまります。この瞬間はもう二度と戻ってこないのですから、全心全霊を持ってその一瞬一瞬を生きるべきです。
座禅や瞑想も、まさにこの「いまここ」を実感するための練習です。呼吸を観察し、自分の心を静かにし、「いま」の瞬間を味わう。そのとき、過去や未来についての煩悩から解放され、ただ「いまここ」に集中することができます。これによって心の平安を得ることができ、人生をもっと豊かに感じることができるのです。
また、日常生活においても、小さなことに感謝の気持ちを持ち続けることが大切です。一杯の温かいお茶を飲む瞬間、鳥のさえずりを耳にする瞬間、風に吹かれる瞬間。その全てが無限の価値を持っています。こうした瞬間に気づき、それを大切にする心が、私たちの心を豊かにし、大きな幸福感をもたらします。
最終的には、この考え方が自分の行動や態度に反映されるようになります。無駄な争いや憎しみ、過剰な欲望から解放され、他者に対しても慈悲深い心を持つことができるようになるでしょう。それが、真の意味で「生き切る」ことであり、平安な心を得る道なのです。つまり、「きょう一日、いま一瞬をどうやって生き切るか、これがすべて」という言葉は、私たちの人生をより充実したものにするための鍵なのです。