善因より善果を生ずることを知り、悪因より悪果を生ずることを知りて悪因を遠離せよ

原文

善因より善果を生ずることを知り、悪因より悪果を生ずることを知りて悪因を遠離(おんり)せよ。

意訳

良き結果は良い原因によるものであることをわきまえる。だから悪い原因に近づかないことである。また善と悪とは裏面になっているので、一転すると善と悪とが逆になることにも注意しよう。

出典

『涅槃経』

解説

『大般涅槃経』。釈尊の最後の旅からはじまって、入滅に至る経過、荼毘(だび)と起塔について叙述する。

妙機禅師

善い結果は、善い原因から生まれるものであるという真理を深く理解することが、人生において非常に重要だと言えます。逆に、悪い原因からは必ず悪い結果が生じることを認識することで、私たちは悪因から遠ざかる道を選ぶことができるのです。これは人生の選択において、非常に大切な教えであります。

思い返せば、私たちの行動や思考は、過去の体験や原因によって大きく影響を受けています。良い行いを積み重ねることで、未来においても良い結果がもたらされる可能性が高まります。これを忘れてしまうと、ほんの少しの悪因に心を寄せることで、大きな苦しみや不幸を招くことになるかもしれません。故に、善悪は一枚のコインの裏表のようであり、どちらか一方を選ぶことによって、もう一方の結果が必ず付随してくることを肝に銘じるべきです。

また、私たちが日常生活の中で直面する様々な誘惑や試練に対しても、同じような視点を持つことが大切です。善い因を育む努力を怠らず、悪い因を寄せ付けない意志を持ち続けることが、私たちの精神的な成長に繋がります。このように善因を選び続けることで、時間と共に豊かな実りを得ることができるでしょう。

この教えは『大般涅槃経』にも示されていますが、特に釈尊が示したように、私たちの生涯の道のりもまた、自らの選択により大きく変わるものです。良い因から得られる果実を求め、悪い因には決して近づかないという強い意志を持ち続けることが、真の幸福への道であることを忘れないでください。善因を選ぶことで、共に美しい果実を育んでいくことができるのです。

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