一事をこととせざれば、一智に達することなし

道元禅師(曹洞宗開祖。1200-1253)

原文

一事をこととせざれば、一智に達することなし。

意訳

一つのことに専念して成し遂げれば、一つの智慧を得ることができる。何事も中途半端で終わってしまっては、信念など生まれるはずがない。

出典

『正法眼蔵』

解説

道元禅師が、1231年から示寂する1253年まで生涯をかけて著した95巻に及ぶ大著。道元禅師が弟子たちに日々の修行における心構えや仏法の真髄を説示したもので、哲学や文学の分野でも高く評価されている。

妙機禅師

私たちの日々の生活において、一つの目標を見据え、それに全力で取り組む姿勢が重要である。この精神は、道元禅師によって伝えられた教えに深く根ざしている。彼は、人生をかけて仏法の真実を追求し続け、その結果、数多くの智慧を得た。その経験から、我々に大切にすべき指針を示してくれる。

道元禅師の教えは、多くの分野で広く受け入れられ、哲学や文学においてもその価値が認められている。物事に全力で取り組むことでしか得られない深い洞察や理解があるという考えは、普遍的な真理である。彼の言葉は、日常のあらゆる場面で私たちが実行すべき行動の基本を指し示している。

もし我々が、何をするにも気持ちが分散し、一つのことに集中しないなら、ほんの少しの成果しか得ることはできない。逆に、一つのことに全力で向き合うことで、その領域で深い知識や技術を身につけることができる。こうした一心不乱の努力が、究極には信念や自信を生むのだ。道元禅師の生涯とその著作を通じて、私たちはこのことを再確認することができる。

日々の修行に励む中で、この教えを胸に刻み、一つ一つの行動に真摯に向き合っていくことが、真の成長への道である。そして、その一歩一歩が、我々の人生を豊かにし、また広く社会にも貢献するのである。このようにして、私たちは仏法の真髄を理解し、自らの人生に活かしていくことができるのである。

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