眠りえぬものに夜は長く、疲れたる者に五里の路はながし。正法を知ることのなき愚かなる者に、生死の輪廻は長し

原文

眠りえぬものに夜は長く、疲れたる者に五里の路はながし。正法を知ることのなき愚かなる者に、生死の輪廻は長し。

意訳

眠れない人にとって夜は長く、嫌々歩く人にとって道程は長く感じるもの。同様に、仏法に出会うことなく真理を知らずに歩む人生は、とても長い。人生を有意義に送るためには、目的を持つことが大切。その目的も、真理や道理にかなった正しいものでなくてはならない。

出典

『法句経』

解説

『法句経』は『ダンマパダ=真理のことば』ともいい、お釈迦さま自身の言葉を伝える原始仏典の一つ。423の詩が26章にわけて収録されている。

妙機禅師

夜半に目を閉じることに苦しむ人にとって、一刻一刻が無限のように感じられる。身体に疲れを感じる者には、一歩ごとに道が果てしなく続くかのように思える。同じように、真理の光に照らされることなく歩む者にとって、人生は無限に広がる迷路のようなものである。絶えず彷徨い続けるその姿は、まるで終わりのない輪廻の中に囚われたかのように見える。

私たちの生きる行程も、このような無限のように感じられることがある。しかし、心の中に確固たる目的を持つことで、その道は光明に照らされる。けれども、その目的もまた、単なる欲望や自己満足に基づくものでは真に価値があるとは言えない。我々が目指すべきは、真実に基づいた道である。そのためには僧侶や賢者の教えを仰ぎ、仏法の深遠なる意味を理解することが必要である。

『法句経』は、その教えを私たちに示している。これは、お釈迦さま自身の言葉を伝え、深く心に刻まれる詩で構成されている。内なる平和と悟りを追求する私たちに対して、道筋を示し、迷いや悩みから解放される糧となるものである。その探求の中で、真理と道理に導かれた目的を見つけることで、我々の生もまた明るく有意義なものになるであろう。

夜を越え、道を歩む勇気を持てば、その先には必ず光が待っている。正法に基づいた目的を胸に秘め、我々は軽やかな一歩を踏み出すことができる。真理に基づいた人生こそが、我々を永遠の迷いから解き放つ鍵となるのだ。

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