我汝を軽んじめず、汝ら道を行じて、皆当に仏となるものゆえに
我汝を軽んじめず、汝ら道を行じて、皆当(まさ)に仏となるものゆえに。
あなたを深く尊敬し、決して軽んじません。人に生まれ、仏性(ぶっしょう)を持ち合わせているあなたは、いずれ仏道を完成させ、成仏される方ですから。あらゆる人々の仏性(仏となる資質。いのちあるものは全て仏になるということが一仏乗の教え)を信じ、差別することなく救いの手を差し伸べようとする、無限の救済が表されている。
『妙法蓮華経』常不軽菩薩品第二十
鳩摩羅什(くまらじゅう)が漢訳した『妙法蓮華経』(406年)。「最高の教え(法華)、白蓮華のような正しい教えを説いた経典」という意味があり、生あるものはすべて成仏できると説くところに、『法華経』が「諸経の王」と呼ばれる由縁がある。
私たちが出会う全ての人に対して、心からの尊敬を忘れずに接することが大切です。あなたもまた、仏性を宿した存在であります。どんな過去を持っていても、またどのような状況にあっても、私たちすべてには仏となる潜在能力が秘められています。故に、他者を見下すことなく、共に道を歩むことが求められます。
この教えは、ある古代の経典によって伝えられています。この経典は、白蓮華のように純粋で美しい真理を示すものであり、私たちに生きる意味を教えてくれます。全ての生きとし生けるものが成仏できるという考えは、私たちの生き方に深い影響を与えます。差別や偏見を捨て、互いに助け合い、共に成長していくことが、真の救いの姿なのです。
この尊い教えに従えば、私たちは孤独ではなく、常に他者との繋がりの中に生きています。そのため、他者を軽く見ることは自らの成長の妨げとなります。全ての人が仏になる可能性を有しているため、互いに支え合いつつ、高め合う関係を築くことができるのです。
私たちが出会う人々が持つ仏性を信じ、無条件の愛を持って接することが、結果的に自らの心も開かれ、豊かに育てることにも繋がります。この教えを心に留めて行動することが、生きる力を与えてくれるのです。
あらゆる存在を尊重し、その潜在能力を信じること。その行動こそが、私たちが目指すべき仏道の本質を体現することに他なりません。それぞれが仏に至るために、共に手を取り合い、光を照らし合う道を歩んでいきましょう。